31.なぜ、間違えてしまうのか?
かつて、「なぜ、弾けないのか?」という題名でコラムをいくつか書いてきましたが、今回は一歩進んで
「なぜ、間違えてしまうのか?」考えてみました。 ①速度 その速さでは、今は無理なのではありませんか? 例えば、アレグロと書いてあるから、最初からアレグロの速さで弾ければいいのですが、弾けない場合は
アンダンテあるいはラルゴぐらいから、ゆーっくり弾いてみてはいかがでしょうか?
意外と、最初から速ーく、何回も何回も練習している方をみかけますが、かえって非合理的です。
当たる確率の低いギャンブルみたいなものです。 トレモロとピッキング(スタカート)が混じったフレーズなどはトレモロもそれなりに遅く、すなわちトレモロの数は
遅いときでも速いときと同じ数で練習した方が、速くなっても弾きやすいですね。
トレモロの数を予め決めて弾くのは、機械的な感じがしてあまり好きではないのですが、こんなときはトレモロ
の数を決めてかかった方が合理的ですね。 ②視線 これは楽譜を見ながら弾くときの視線の話です。 視線は音符を追っていると思います。ただ、現在弾いているところよりも、ちょっとだけ先(次の小節の音符)を
見るようにしましょう。出ている音の部分はすでに過去のものなので、その部分(音符)を見ていても確認作業
にしか過ぎません。 ③ポジション感 楽譜をずっーと見ながら弾くときは当然、左手元は見られないわけです。 ハイポジションに限らず、ポジション感は普段の基礎練習で身につけておきましょう。 まぁ、難しいところは何回も弾いていれば暗譜してしまい、楽譜は見なくても左手元を見ながら弾けるわけです。
というか、手元を見ないと弾けないですね。 このときも「現在押さえている指を見る=確認作業」のではなくて、例えばポジション移動する場合など特に、
次に押さえる場所(フレットまたは指板)を見ましょう。 人生と同じです。「ちょっと先を見据えて」いきましょう。 ④弾きこみ不足 一般的に練習不足といえば、これのことだと思います。技術的にどんなに易しい作品でも人前で弾く場合は何回
も何回も弾きこむが大切ですね。楽譜を見ながら演奏するにしても、暗譜するぐらい弾きこむ。
私の知り合いのピアニストは本番までに、とりあえず100回弾くって言ってました。「とりあえず」ですよ。 ⑤集中力の欠如 演奏中、一番大切なものは何かというと私は「集中力」だと思います。 最近は集中力を保つために、本番直前には出来るだけ食べすぎないようにしています。 (その結果、打ち上げでたくさん食べて,、たくさん飲んでしまうんですが。) 先日、見るからに料亭風の美味しそうなお弁当を差し入れでいただいてしまった演奏会は悲惨でした。
集中しているつもりでも、どうしても血液が脳みそから消化器方面に行ってしまうんでしょうね。トホホ。