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57.スタッカートとピッキング

  • 執筆者の写真: 和彦 高橋
    和彦 高橋
  • 2017年4月10日
  • 読了時間: 3分

マンドリンの奏法には大きく分けると、かつては単打(野球みたいだ)といわれた「ピッキング」と、そのピッキングの連続である「トレモロ」という2つの奏法がありますね。 いまだに「トレモロはピッキングの連続じゃ、無ぁ~い!」と言う方もいらっしゃいますが。。。 それはさておき、その「ピッキング」を「スタッカート」ともいうわけですが、音楽上の<スタッカート=音を短く(およそ半分の長さに)切る>とは異なることも多いのです。 マンドリンのために書かれた楽譜の音符にスタッカート記号=「・」記号 が付いているときはほとんどの場合、トレモロはしま

せん。「・」記号が書いてあれば、ピッキングという風に読みますね。 ただし、長い音符だったら「トレモロでスタッカート」すなわち「トレモロで音を短く弾く」ということもあります。 そこで、その「ピッキング」に「・」記号が付いている場合、その音符を音楽的にスタッカートする=音を短く切るのか? 単に

ピッキング(で音を伸ばす、音は短く切らない)の意味なのか?というところが悩むところなんです。 また、作曲者や編曲者によっても「・」記号の意味が異なるようなので、これまた悩むんですね。 マンドリンの短所のひとつに「音が伸びない」「持続音が出来ない」という点がありますね。 そこで、なかば無理やり(?)トレモロという奏法を使って音を伸ばすわけですが、ただでさえ音の減衰が速いピッキングで、

さらに音楽上のスタッカートをされると、ホントに短い、音にならない音になってしまいませんか? 多くの奏者が普通にピッキングしていてもスタッカートに聞こえてしまうことも少なくありません。 さらにそれをプツプツと一音一音切られると、私は、なんだか「ペッペッ」と唾を吐きかけられているような悲しい気持ちになる

のです、実際に唾を吐きかけられたことは無いんですけどね。 また、「なぜ、スタッカート記号も付いてないのに、音を1個1個プツプツ切るの?」と尋ねたところ、「歯切れよく弾きたいんですっ!」って答えた生徒さんもいました。 たしかに、歯切れは良いかも知れないんだけど、楽譜に「・」記号が書いてあるならまだしも、勝手に音をプチプチ切られたり

したら、「チョット、チョット!違うんじゃないの?」って言いたくなります。 初心者の場合は、自分が出した音をよく聴いていないときや、音を伸ばす技術=左手の力を抜くタイミングが早い=に乏しいという場合も多々ありますが、中級者以上では、楽譜を自分勝手に解釈してしまうときも少なくないようです。 私の場合、「・」記号の音は、まずは単純にピッキングで音を伸ばすという風に解釈することが多いです。もちろん、音楽的に

スタッカートする=音を短く切る ときもありますが、その作品が書かれた時代と演奏上の効果を考慮した上で用います。 いずれにしても、ピッキングで音を伸ばすという根本的な技術=右手と左手のシンクロ(同期) を磨きたい今日この頃です。


 
 
 

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